はじめに
うゑるかをるのお茶は、歴15年の鍼灸師が東洋医学の教えをイメージしてプロデュースした薬草のブレンドティーです。
東洋医学の考えはとても複雑なので、身体に優しい医学だとわかっていても、なかなか身近に感じにくかったり、生活に取り入れるのを難しく感じてしまうかもしれません。
私は、鍼灸師を15年やっておりますが、こんなに長くやっていても難しいと思います(笑)。
ただ、東洋医学は学べば学んだだけ深い学問ですが、東洋医学の入り口自体は、とてもシンプルで納得できるものです。
実際、私が治療で使っている東洋医学は、とてもシンプルなものばかり。
難しく考えなくても、だいたい賄うことができています。
うゑるかをるのコラムでは、少しでもみなさんに東洋医学を身近に感じていただけるようにわかりやすく、また15年の経歴を生かして、私なりの解釈の東洋医学を加えながら、お話しできたらと思っています。
少し東洋医学を理解できると、うゑるかをるのお茶のコンセプトを、よりみなさんと共有できると思います。
また、日頃の生活の中でも東洋医学の考えを用いて養生できるようになるでしょう。
みなさんに、気軽な東洋医学を楽しんでいただけますように。
東洋医学とは
いくら健康に気をつけていたとしても、やはり体調を崩すことはありますよね。
例えば、風邪を引いた時。まず行くのは、お医者さんだと思います。
内科や耳鼻咽喉科にかかるかと思いますが、それらは大体が西洋医学のお医者さんです。
西洋医学では、症状から身体のつくりやはたらきが正常に働いていない部分や病原を見つけ出し、その原因を取り除いたり、不快な症状を抑えるように薬を服用して和らげたりします。
対して東洋医学はというと、少し独特な医学です。
西洋医学のように、明確な解剖学や生理学がベースになっているものではありません。
ベースになっているのは、体に流れている気血津液と、主要臓器の五臓六腑。
五臓六腑に流れている気血津液の量や滞りなどで、健康不健康を診断します。
診断方法はいろいろありますが、主に使われるのは、問診、腹診(おなかを触って硬さを診る)、舌診(舌の状態で診る)、脈診(手首の動脈の拍動で診る)などです。
症状に対してアプローチする西洋医学と異なり、東洋医学は症状だけではなく、その人の体質を大事にする医学です。
西洋医学のように、『この症状には、この治療』というのが決まっているわけではなく、同じ症状でも、探っていくと根源が全く違っていたりするのが東洋医学です。
ひとにはそれぞれ体質のタイプがあり、弱りやすい部分、強い部分、起こりやすい症状などがあります。
そういった、弱いところを補ってあげたり、強い部分を弱めてあげたりして、身体のバランスを整えることにフォーカスしたのが東洋医学です。
整えてあげる方法としては、鍼灸、あんま、漢方や薬膳などがあります。
鍼灸は東洋医学の代表的な治療法ですが、鍼灸はどうも『最後の手段!』と思われている節があるようです。(特にぎっくり腰のケースなど)
でも本来の東洋医学が効果を発揮するのは、『未病を治(ち)す』という言葉があるように、疾病が大病になる前の小さな不調のときのケアなのです。
大きな病も、はじめは小さなものです。
日頃、忙しくしていたりすると、小さな身体のサインも見逃しがちになってしまいます。
気付いていても、気付かないふりをしていることもあるでしょう。
過剰に気にするのもまた問題ですが、そういった小さなサインを見逃さず、東洋医学を活用して、日頃より元気な体や心をキープしていけるといいですね。